俺が好きって認めれば?【完】

隼人君はこちらを見ずに淡々とした口調で話す。





「い、嫌ってわけじゃないけど、やっぱ誰かに見られたら勘違いされちゃうし…その、こういうのは付き合ってるカップルがすることであって…」





と、回りくどい言い方しかできなかった。





あーもうっ、ダメならダメってちゃんと言わなきゃいけないのに!


どうしても隼人君には強く言えないっていうか、なんていうか…。





そして校舎まで入ってくると、隼人君は足を止めゆっくりと手を離すと私を見つめる。





「俺、恵那先輩となら勘違いされてもいいですよ?むしろ、勘違いしてほしいです」





隼人君は頬をピンク色に染め、照れくさそうな表情を浮かべていた。





「え?隼人君、それはどういう」





「じゃあ、またね恵那先輩。お話出来てよかったです」





隼人君はペコリと笑顔で会釈をすると、この場を立ち去ったのだった。