俺が好きって認めれば?【完】

「まあいいや。じゃーな」





恭哉君は未だクスクスと笑みを零しながら、分かれ道で背を向け歩き出した。





「恭哉君!」





私はそんな恭哉君の背中に向かって叫んでいた。





「なに?」





振り返り足を止める恭哉君に、私は近くまで駆け寄る。





「恭哉君、最初の頃と比べると変わったよね」


「…変わった?」


「うんっ!私と話したばかりの頃は全然笑わないし、雰囲気が冷たくて、近寄りがたい感じがしてたもん」





目をパチパチとさせている恭哉君に続けて話す。





「でも今は、よく笑ってくれるし、雰囲気も柔らかくなって、本当はいい人なんじゃないかなって思うようになったんだよね。あっ、あと意外と優しいことも分かった!」





何故いきなりこんなことを伝えたのかと聞かれると答えらないけど、なんとなく今、恭哉君に聞いてほしかったのだ。