俺が好きって認めれば?【完】

うっ…!


つい図星を突かれたように動揺してしまう。





「わっ、私…一緒に帰りたいなんて、言ってないし…?」





「口で言わなくても恵那は顔に出てんだよ。俺と一緒に帰りたいって」





恭哉君はいたずらっ子のようにペロッと舌を出し、私のことを見下ろした。





「そ、そんなこと思ってないし!恭哉君こそ、私と一緒に帰りたかったんじゃないの?」


「は?なんで俺が恵那と帰りたいんだよ」


「そ、それはー…知らない!」





冗談で言っただけなのに。


そんな真面目に言い返さないでよ。





こっちが恥かいちゃったじゃん、あほ。





何だか気まずく思い、そっぽを向く。





「…まっ、久しぶりに会えてよかったけど」





「え?」





恭哉君はそう小さな声で呟いたのだった。