俺が好きって認めれば?【完】

隼人君は子犬のような表情で私を見つめる。





なんて、眩しいお顔なのっ…!


まるで子犬…いや、私には天使に見える…!





「もちろんだよ!私も見かけたら声かけるね」


「やった!ありがとうございます!それではまた」





隼人君は礼儀正しくペコリと頭を下げると、笑顔でこの場を立ち去ったのだった。





ああ、なんていい子だったんだろう。


あんな後輩の鏡のような子、実在するんだね。





…後輩じゃないけど、どっかの誰かさんとは大違いだ。





そんなことを思いながら手を振っていると、隼人君と入れ替わるように恭哉君がやってきた。





「誰に手振ってんの?」


「あっ恭哉君!遅いよ~!今ね、親切な後輩の子が生徒手帳拾ってくれたんだよ」


「…ふーん」





恭哉君は興味なさげにそう呟くと、段々と小さくなる隼人君の後ろ姿を見た。





「…あいつって…」


「ん?どうかした?」


「別に、なんでもねーよ。早く帰るぞ」