「黙れ。お前に言われるとなんかムカつく」


「はーっ!?なによそれ!せっかく人が見てあげようと」


「別に俺は恵那に見てもらう程バカじゃねーから」





ひっ、酷い…!


そりゃ私だって頭いいわけじゃないけどさ。





…久しぶりに会ったんだし、もうちょっと優しく言ってくれても…


って、私は何考えてんだ…!


口が悪いのはいつものことじゃんっ





「課題も終わったし、俺は帰るから」


「…なんだ、もう帰っちゃうんだ」





無意識に小さく零れる言葉。


すると恭哉君は足を止め、こちらへと振り返る。





「仕方ねーから一緒に帰ってやるよ。…玄関で待ってろ」





キョトンとする私にそれだけを言い残すと、恭哉君は教室を後にした。





数秒して言葉の意味を理解した私の顔には、たちまち笑みが浮かび上がる。





仕方ないってなによっ


ほんっと、素直じゃないよね!





私と一緒に帰りたいならそう言えばいいのに?