恭哉君は動揺する私を見て、いつもの如く面白そうに見つめていた。





「恭哉君に会いに来るわけないじゃんっ!ばっかじゃないのっ」


「へー?じゃあ、なんでここにいるんだよ」





そっ、それは…





咄嗟に言葉を詰まらせてしまう。





…いや、でもここは本当のことを言っておかないと、変に勘違いされちゃうままだし。





私は渋々といった様子でゆっくりと口を開く。





「…担任から連絡が来て、恭哉君が補習してるから見てくれって…」





「はっ、ほんとお前、お人好しだな」





そう言って鼻で笑う恭哉君は、馬鹿にした様子で私を見た。





あーもうっだから言いたくなかったのにっ!


どうせ恭哉君にお人好しってまた言われることくらい分かってたし。





「うるさいなあ。そもそも恭哉君が補習になるからいけないんでしょ」