腕をグッと引かれ体勢を崩し、次の瞬間には恭哉君の顔が目の前にあった。





「えっ…」





突然のドアップに驚いて声も出せないでいると、恭哉君は不敵な笑みを浮かべたまま口を開く。





「俺に会いたくて、会いにきたんだろ。可愛いね」





「…はっ」





そして頬に柔らかい感触がしたかと思うと、チュッと小さなリップ音を立てキスをされていたのだ。





「ねっ、寝ぼけてるの…!?」





私は恭哉君の腕を振り払い、後ずさる。


そしてキスをされた頬を手で触れる。





ゆっ、油断した…!


まさかキスしてくるなんて…最低っ!





突然こんなことをされて怒るはずなのに…嫌なはずなのに…。


私の胸の鼓動は気持ちとは裏腹に、ドキドキと鼓動を増す。