ただ恭哉君から伝わる優しい温もりに包まれ、心臓がこれでもないくらいドキドキと脈を打つ。





頬を赤く染め上げていたものは、耳をも赤く染め上げる。





全身の血液が沸騰しているんじゃないかと思う程、身体が熱くなり、思考回路を鈍らせた。





…抵抗しなくちゃいけないのに。





こんなことに意味なんて何もないのに。





どうして、恭哉君は私を抱きしめるの?


どうして、私は抵抗できないの…?





…どうして、こんなにも心地いいんだろう。





無意識のうちにこの温もりにずっと包まれていたい、そう思う自分がいた。





「…なにか、喋ってよ。ばかっ…」





するとようやくして、恭哉君は私からゆっくりと離れ、真っすぐな目が私を捉える。