「ご、ごごごめんっ!」





私は飛び退くように恭哉君から距離を取る。





いつの間にこんなに近くに居たんだろう。


…完全に無意識だった。





「いや、謝ることじゃないけど」


「あっ、そうだよね…ごめん」


「…また謝ったし」





そして2人の間に沈黙が流れる。





あーもうっ…私ってば何やってるんだろう。





手繋いだことによって、恭哉君のこと変に意識しちゃってる…。


あれはただ単に私が走るの遅いから引っ張ってくれてただけなのに。





私のせいで気まずい雰囲気になっちゃってるよ~…!


何とかして別の話をしないとっ





しかし、ぐるぐると頭を回転させても何も思い浮かばない。





何か他のことを考える度に、心臓の音が邪魔をし、恭哉君のことが頭を過る。