せっかくの夏祭りだったのに。


なんでこんなことになってるんだか…。





美冬達は大丈夫かな?


すぐ合流出来ればいいんだけど。





「にしても、モテる男は大変ですね」


「それ褒めてんの?それとも嫌味?」


「んーどっちだろうね?」





なんてくだらない話をしながら、私たちはベンチへと腰かける。





「あっ、恭哉君。襟元、はだけてるよ」





私はそう言って手早くはだけた襟元を直してあげた。





「よしっ直ったよ!」


「お前さ」


「ん?」





恭哉君は俯き、大きなため息と共に、頭をポリポリと掻いていた。





「もうちょっと俺に危機感もったら?」


「へ?」





そう言われ気がつくと、私はいつでも恭哉君に襲われてもおかしくないといった距離感の中にいた。