俺が好きって認めれば?【完】

恭哉君の後ろ姿を見ながらそんなことを考えていると、急にどこからともなく女の子の叫び声が聞こえた。





「あっ恭哉君だ!」


「ほんとだ!恭哉君がいる!」


「えっ!?恭哉君どこ!?」





なっ、なにごと…!?





その声に反応するように、たちまち女の子たちが声をあげだす。


どうやら恭哉君のファンの女の子のようだ。





「えっ、これまずいんじゃない!?」


「ちょっと遊、どうすんのよ」





女の子たちは行き交う人の間をかき分け、私たちの方へと向かってくるではないか。





これはまずいっ!


多分、身長からして私や美冬がいるってことに気づいてないみたいだし…。


もしそれであの子たちと鉢合わせしちゃったら、何を言われることか…。





ていうか、あの子たちが叫ぶせいで他の子たちも恭哉君の存在に気づいて、みんなこっち見てるよっ…!


これじゃあ、ちょっとしたパニックになっちゃうよ~!





「えー恭哉どうする?俺やだよあの子たちと一緒に回るのは」


「そんなの俺も面倒だし嫌だわ」





そう言って恭哉君は本当に嫌そうに眉間にシワを寄せていた。