あ~まじで笑えるなこれ。


遊が言ってたことも案外間違ってないのかもな。





「先輩」





ようやく気持ちが落ち着き、先ほどまでとは違い、とても晴れやかな表情を浮かべる。





「やっぱ、今日行くのやめます」


「え、恭哉?どうしたの!?」





頭のモヤモヤも、謎の苛立ちも全て消え去り、清々しい気分だった。





「…それと、俺は先輩と遊ぶことはこの先一生ないんで、もう電話かけてこなくていいです」


「はっ!?さっきから何言ってるのっ!」


「じゃ、さようなら」





そう言って必死に止める先輩の声を無視して、俺は電話を切ったのだった。





「帰るか」





踵を返し、来た道を戻り始めた。





その足取りはとても軽いもので、口元にはゆるく弧が描く。





「もう少し楽しませてもらうか」





珍しく俺は、素直にそんなことを呟いたのだった。