遊はあれから、しょっちゅうあの時のことで俺を弄ってくる。





「だってだって、ほんとビックリしたもん。美冬に恵那ちゃんが連れてかれたって聞かされた瞬間の恭哉の顔よ、あはは」


「…うるせーな」





あの時のことは今でもよく覚えている。





恵那が連れて行かれたって聞いた途端、居ても立っても居られなかった。





なんだか嫌予感がして、とにかく探さなきゃって思ったんだよな~…





結局俺の嫌な予感は的中してたって訳だけど。





恵那が今まさに殴られそうな瞬間、助けることが出来てよかった。





あの時…恵那が、泥まみれな姿になっているのを見て、訳の分からない怒りを感じていた。


今まで感じたことのないくらい怒りで満ちていた。





あんな酷いことされても恵那は、一切怒らないし…なんなんだよ。


…ほんと、理解できん。





「なあなあ、ぶっちゃけ恭哉って恵那ちゃんのことどう思ってるわけ?」