「なに、照れて何も話せないって?」





電話越しで聞こえる恭哉君の声。


クスリと笑い声をあげていた。





「…ま、いいや。全部冗談だし」





…冗、談…?


全部、冗談だったの…?





「おい恵那、さっきから無視すんなよ」





…そっか、冗談か。


そうだよね、そうだよ!


最初っから冗談に決まってるじゃん。





なに私、1人で動揺して焦っちゃってたんだろ。


あ~恥ずかしい!





恭哉君が本気で言ってるのかと思って、勘違いしちゃったじゃん。





ほんと、私ってバカだな~!





「聞いてるよアホ恭哉君!」





私はわざと明るい声で話す。