と、美冬がボソッと呟いたかと思うと、教室の外が次第に騒がしくなる。





「恭哉君おはよう!」


「わーっ恭哉君だ~!」


「会いたかったよっー」





毎朝、恭哉君が登校すると、女の子たちの声が飛び交うのはもう日課になっていた。





うわっとうとう来ちゃったよ。


もうすぐHR始まるし、そろそろ来る頃だとは思っていたけど…。





女の子たちの声が高まるにつれ、私のため息を零す回数が増えていく。





「もし何かあったら助けるから大丈夫だよ」


「美冬…!」





美冬の男前な発言に胸がときめく。





やっぱり美冬は優しいな~


ますます惚れちゃうよ!





そして多くの女子生徒を引き連れ、恭哉君がクラスへと入って来た。





私は反射的に顔を逸らすように、窓の外へ視線を向ける。