「あの状況で、一緒に出掛けるのはまずいでしょ」





えっ、それはこの前のボーリング大会のこと…?





「まあ、好きになるのは本人たちの自由だけど」





すっすっすっ、好き…!?



ちょっ、ちょっと待って…!





私は別に恭哉君のこと…!





「題名に惹かれたけど、山ナシ落ちナシな話だったわ」





「…え?題名?」





最後の言葉にキョトンとさせる。





美冬はというと、ようやく本を閉じ、少し驚いた様子で私に気づく。





「あれ、恵那?…どうした?」