恭哉君がこういうことを言って、私をからかってくるのにも充分慣れてきた。





きっと本心なんだろうけど、悪意はないもんね。





なんだろう、なんか憎めなくなってきちゃうなぁ。





恭哉君のことを知れば知るほど、もっと知りたいって思う。





不思議な感情だ。





「ねえ恭哉君」


「なに?」





横目で流すような視線を私へ向ける。





「私の前くらい素直になってよね」





今はこの気持ちの意味を、知らなくていい。





ただ、もう少しだけ、戸惑っていたい。


もう少しだけ、この気持ちと悩んでいたい。





それでいつか、この気持ちの意味が分かった時には―――