俺が好きって認めれば?【完】

そんな恭哉君の後ろ姿を自然と目で追う。





…って、なに見てるんだ私!


私も帰らないと。





恭哉君にボサボサにされた髪を、手で直しながら自宅へと歩き出した。





自分の頭を触れる度、先ほどのことを思い出す。





あんなに楽しそうに笑えるんだ。





いっつもどこか、人をバカにしてるっていうか、企んでるような笑顔ばっか浮かべてるし。





…恭哉君、あんな風に笑うんだ。





「…ぷっ」





つい、笑みが零れていた。





いい笑顔できるじゃん。


いいもの見れたし、今日のことは大目に見てあげよう。





私は口元を綻ばせながら、軽い足取りで帰ったのであった。