俺が好きって認めれば?【完】

へ?な、なに?





その怪しげな表情に思わず身構える。





「俺と一緒に帰ると、俺のこと好きになっちゃうから嫌なんだ?」





「はっ、はああっ…!?」





ひとまわり大きな声をあげる。





私が恭哉君のこと、好きになるわけないじゃん…!





自分が私に何したのか覚えてないわけっ!?


気まぐれで私のファーストキスを奪っておきながら、よくそんなこと言えるよね。





「俺のこと好きになりそうで怖いんだろ」





「そんなことないし!恭哉君のことは、絶対好きにならないからっ」





「へー、なら何も問題ねーな」





そう言うと恭哉君は、先に玄関を出て行く。