鬱陶しいって…


もうちょっと、他の言い方ないの?


可愛い子にも容赦ないんだね。





やれやれと思いつつ、私も靴を履き替える。





「そもそも私たち、一緒に帰る約束してないし」


「は?お前、朝言ったこと忘れたの?」


「それは恭哉君が勝手に言っただけじゃんっ」





気まずくなり視線をそっぽへ向ける。





「七井からはちゃんと許可もらったけど?」


「いやいや、普通は私の許可でしょ!…てゆーか、なんで私と帰るなんて言ったの?」





そういえば、なんであんなことを言ったのか理由を聞いていない。





もしかして、あの女の子たちを避けるために利用したとか…!?


恭哉君ならありえそう…。





そんなことを考え始めてしまうと、恭哉君を嫌な目で見てしまう。





「…お前、なんか変なこと考えてるだろ」





恭哉君は呆れた視線で対抗してくると、私のおでこにデコピンを食らわす。