そんなことを言われているとも知らず、私は恭哉君に引っ張られるがまま、廊下を歩いていた。





「きょ、恭哉君…!腕、離してよ」





「ん~もう少し」





もう少しって、どういうこと!?





恭哉君と歩幅も歩くスピードも違うため、腕を引かれると小走りになってしまう。





前を歩く恭哉君に疑問の目を向けつつも、仕方なくついていく。





そして、下駄箱まで来ると、ようやく腕を離してくれた。





「さっきのあの子たち、よかったの?」





「いいよ別に。最近馴れ馴れしくて、鬱陶しかったんだよね~」





特に気にする素振りもなく、淡々とした様子で靴に履き替えていた。