やっぱり翔くんの顔色は日に日に青白くなっていった。

それでも翔くんはいつも通りだった。



「翔、何やってんだよー」

「いや、俺じゃねえって」



男子の笑い声が聞こえる。



「本当に面白くてさー」

「何それ超ウケるんだけどw」



女子の笑い声が聞こえる。



いつもの日常。

いつもの日々。



でも何かしらが確実に変わっていくのを
私は身に染みて感じていた。

つい最近まで悩みが消えたはずだったのに。

それが悪いことなのか良いことなのか分からないけど
何故か最近心が晴れずにいた。



「あ、そういえば今日翔の誕生日じゃん!」


「マジじゃん、おめでとう翔」



今日は翔くんの誕生日なのか。
えっと、今日は


『10月5日』


すると、頭のなかであの時の写真が思い浮かんだ。

見たことの無い男の人と赤ちゃんの写真。
その写真が入っているのは10月5日と書かれている箱の中だった。


10月5日。


私は何かを感じとった。