哀しき野良犬

どんなに残酷な事件でも、世間は時間が経てば関心がなくなり、やがて忘れてしまう。

世間なんて薄情なものさ、と秦野さんが笑った。


遺族たちの中には、事件を風化させないために奔走している人たちもいる。
奔走しなければ忘れ去られてしまうというのが現実かも知れない。

ただ、加害者の家族だけは、一生忘れることはない。


だけどこれだけは間違えてはいけない。


俺が人を殺したわけじゃない。


【おしまい】