哀しき野良犬

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俺と晴男は病院で検査を受けたが、幸い、裂傷や切り傷程度で、即日帰宅が許された。

「犯罪者の家族は、いつまで経っても、どんなに一生懸命生きていても、普通の人間とし
て認めてもらえないよな」

病院の帰り道に晴男が言った。

「同じ苦しみや悲しみを味わうなら、被害者のほうがラクでいいよな」

「バカ言うなよ。殺されちまったら何にもならねえじゃねえか。被害者の家族は、俺たち
よりもっともっと悲しい思いをしているんだよ」

「そりゃオマエはいいさ。暴走族なんだから」

「はあ?」

「あ・・・いや・・・ごめん」

俺は殺人犯の家族になってまだ1ヶ月も経っていない。
だけど晴男たちは2年以上もこんな思いで生きている。

一生背負って行かなきゃならないことは分かっている。
だけど、考えると辛くなる。