哀しき野良犬

「何バカなことを言ってんだ!」

壁に頭を押し付けられた。
秦野さんと真正面から向かい合う格好になった。
目が見られなくて俺のほうから顔を逸らした。
そうしたら、目を見て話せ、とでも言うように俺の顎を掴んで前を向かせた。

「感情的になってんじゃねえよ、修平」

「・・・・・・・・・」

「オマエは生まれ変わったんだろ?」

何も答えられなかった。
補導されてこうして今ここにいること自体、既に秦野さんを裏切っている。
あれほど親身になってくれたというのに、俺はやはり進歩していない。

秦野さんはほかの刑事たちに、俺が暴走族を辞めた、という誓約書を見せ、さらに、俺を無罪放免にしてくれた。
勿論、片桐がコンビニ強盗をしようとしたことや、俺がそれを止めたことなどもちゃんと証明してくれた。