哀しき野良犬

「オマエのようなゴロツキの言うことを信じるほど警察はお人よしではないぞ」

「だから、暴走族は2ヶ月前にやめました」

「喧嘩の原因は?」

「アイツが強盗しようとするから、止めただけだよ」

「嘘をつけ。元々因縁があったんだろ?」

「だから、俺はもう暴走族じゃねえし」

「先週、川添亮が片桐に怪我をさせられたよなあ? その報復なんだろ?」

「はあ? 亮が怪我? マジかよ?」

「だからオマエは片桐を殴った」

「違います。本当に足を洗ったんですってば」

「足を洗った人間がなぜ喧嘩なんかする?」

「だからアイツが」

「往生際の悪いことを言うんじゃない!」

「ホントだよ! なんで信じてくれねんだよ」

「信じて欲しけりゃ、信じてもらえる人間になれ!」

「どうすりゃなれるんだよ? 俺は俺なりに一生懸命やってんだよ。本当に一生懸命生き
てんだよ」

「その結果が喧嘩か?」

「だから」

別の刑事が入って来た。
今いる刑事に増して嫌味な顔をした男だった。

「オマエ、今朝、三丁目の路上で警察官を殴ったよな?」

「はあ?」