哀しき野良犬

ところが警察官は、すぐそこに交番があるから、そこで話を聞かせろと言い出した。

「はあ? なんでだよ?」

「いいから来なさい」

「何もしてねえだろ?」

「だったら話をするぐらい平気じゃないか」

「うるせえよ!」

俺は、俺の腕を掴もうとする警察官の手を振り払って走り出した。
振り払った手が警察官の顔に当たった気がしたが、俺は気づかないふりをして信号を渡った。