3,失望



《まほ》

私には好きな人がいます。

その人は、誰もが知る人気者という訳でも、超ハイスペックなイケメンでもないけど、彼の中には素朴なあたたかい優しさや、いつも明るく話しかけてくれたり、誰よりも努力家だったり、いい所が沢山あって…………


そのひとつひとつが彼のいい所!


そんな彼に近づきたくて、メイクしてみたり、髪型替えてみたり、たまには自分から話しかけてみたり…………


一緒に話すとなんだか心が落ち着かなくて、すれ違うだけで緊張して…………


こういうのを恋っていうのかな?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

別に勝算がある訳でもない。

でも、0じゃない気がするし、ちょっとくらい頑張ろうかな?





そんな気持ちだった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

文化祭も終わり、クリスマスも近づく12月前半


私は小さな勇気を出した。



結果は惨敗。



まぁ、わかってはいたけどね?

あんな素敵な人に彼女いないはずないしね?



でも悲しいの。辛いの。苦しいの。

胸が張り裂けそうな気がした。


でもいいの。どうせ分かってたことだもんね?







「まほ?」


顔をあげればそこにはこころが居た。

「大丈夫?なんかあった?」

優しそうな笑顔だった。

「私でよければ話聞くよ?」


その真剣そうで、優しそうで、そんな笑顔に私は勝てなかった。
つい話してしまった。







話を聞いたこころは本当に悲しそうな顔をしていたんだ。