次に倉庫内を見回した。
残念ながら窓はなく、その代わりに換気扇が備え付けられていた。
脱出は難しいって事か…
そうなると、残りは外から誰かに出してもらうしかない。
気付いてもらう為には…
!……そうか!
「 寮の点呼だ!」
「へ?……点呼?」
俺が突然叫んだからか、エミリーはびくつきながらも言葉を繰り返した。
「21時になれば、先生が生徒が部屋にいるかチェックしに来るだろ? その時に俺達が居ないって分かれば探しに来てくれるよ!」
「…あっ、そうですよね! 片瀬さん頭いい!」
出られる事に少しホッとした顔を浮かべるエミリー。
その表情を見ると、何故か俺も安心出来た。
だけど問題は、後一時間半はここにいなきゃならない事…
暖房器具もないこの倉庫で果たして耐えられるのか。

