「「幼馴染み?」」


授業は終わったのにも関わらずまだ多くの生徒が残っている教室で、俺と愛梨ちゃんの声がひときわ響いた。



「そう。小学校卒業するまでの話だけどな」



そっか、幼馴染み…


俺と陽菜乃みたいな間柄だったって事か。



「それにしても、えみり。お前、俺以外の奴に敬語で話すくせ…治ってないんだ?」


「ほっといてよ!真樹には関係ないでしょ?」



いつもより強気な上に、普通の口調で話すエミリー。


そんな彼女が、普段とは違う女の子に見えてくる。


敬語じゃないって事は、それだけ相手に対して気が許せるって事だと思うんだよね…


あーぁ、今朝までは一歩リードしていると思っていたけど。


どうやら俺の勘違いだったみたい。