「エミリー、ゴメ…」


「そうだったのか。キ、キ、キスされるなんて。考えもしなかった。迂闊でした…」



無理矢理キスしてしまった事を謝罪しようと近付くと……


何やらエミリーは、ブツブツと独り言を話していた。



「片瀬さん!」


「は、はい!」



遂に怒られるのかと身構えたけれど、顔を上げたエミリーの表情は…


何故か花が咲いたような笑顔だった。



「助けてくれてありがとうございました!…後、殴るつもりじゃなかったって教えてくれて…
でも!実際にしなくても、口で言ってくれれば分かりますよ?いくら私でも」



エミリーが笑顔なのが気になる上に、一気に話されて頭の中がこんがらがる。



「いや、ちょっと待って…」



えーと、何だ?


つまり俺がエミリーにキスしたのは、ただ単に教えるだけの為だと思っている…と?