エミリーがするのは魔法使いの役。


とんがり帽子とローブはどちらもラメの入った紫色だ。


これが似合うって言われても喜ぶ人はいないか...



「そろそろ本番だよー! 各自持ち場に付いてねぇ!」



委員長が周りに呼び掛けはじめたので、会話を止めざる得なくなった。



「それじゃ王子様の役、頑張って下さいね!」


「ぁっ、うん...」



皆がバタバタと自分の位置に付くと幕が上がる。


セリフが頭に入ってるとはいえ、やっぱり少しは身構えちゃうよねぇ...


こうして出番までの間、ちょっとだけ緊張の時間が続くのだった。