やれば何でも出来ちゃう俺と違って、努力家の麻野っちの方が従う人が多いと思うし。
俺ならたぶん妬まれる可能性が高いというか...
ほぼ会計の仕事を終えた俺は、まだ作業が終わってない所を手伝いながら頭ではそんな事を考えていた。
俺だって好きで頭が優れてる訳じゃない。
毎回奇妙な顔をされてるテストなんて受けたくもない。
でも...“受けない”なんて選択肢は、俺には残っていないんだよな。
「元気ありませんね。疲れちゃいました?」
ため息を一つ溢すと、それに気付いたエミリーが話しかけてきた。
エミリーは俺の変化がよく分かるようで、その度に気にかけてくれる。

