「行ってきま〜す」



「行ってらっしゃい。気を付けてね」



お兄ちゃんの隣を歩いて、徒歩15分くらいの近所にある学校へ向かう。



私の兄妹だから、お兄ちゃんもイケメンなんだけど、そのせいでいつの間にかものすごいプレイボーイになっていた。


誰とでも遊ぶらしく、私のクラスにもお兄ちゃんに近付こうとしている女子は少なくない。


校内で見かける度に、いつも違った香水プンプンの女と腕を組んでハーレムを作るお兄ちゃん。

たまに、頬を叩かれたのか赤く腫れていることもある。


『本気になる訳ねぇだろ。期待する方が馬鹿』


そんな酷い言葉をを派手系の女子に吐いてるところを見たことはあるけど、
妹の私には十分過ぎるほど優しいし、
彼の男女観については干渉するつもりもない。


だって、私は男にモテたくて毎日欠かさず努力をして、
お兄ちゃんは女と遊びたくて彼女を作らないっていうそれぞれのやり方があるから。