仕事が終わったコメントでもしようかと思い、スマホを開いてみる。



ロック画面には、飲み会メンバーからの苦情のメールがきていた。

勿論、未読スルーをキメ込む。



それに、飲み会なんて名ばかりの合コンだ。

彼氏のいない私を気遣って、面食いの知人が企画したもの。




だが、自分以外に興味の無い私にとって彼氏なんかいらない。

私は自分のペースで生活したいから、他人に合わせることが嫌なんだ。





「仕事終わった……飲み会忘れた……、と」





SNSにそう書き込めば、すぐに反応が返ってくる。

それを確認してから、椅子から立ち上がった。



デスクの上には、空になったカフェオレのパック。

もう冷蔵庫にもストックはないだろう。





「行くか」





そう言って、ジャンパーを羽織った。



散歩がてらにコンビニに行き、明日の飲み物を補充する。


それが仕事終わりの私の日課だ。





「もう冬も終わるな。衣替えめんどくさい」





そう呟きながら、サンダルを足に引っ掛けた。




____パタンッ……




鍵を閉めてアパートの階段を降りる。



まだ寒いな、と思いながら手に息を吹きかけた。