「可愛いかったね、笑った麗薇。」

千紘はいつものドSの顔ではなく、優しい顔をしている。

こんな顔をみたのは、いつぶりだろうか。

今日1日で、彼女の印象はガラリと変わった。

連れ去って、彼女の素顔を垣間見た。

コロコロと変わっていくその表情は俺らの心を掴んでいく。

時折みせる過去の麗薇。

直ぐに壊れてしまいそうだ。

「そーいえば遙真に麗薇連れてきてって言って来たと思ったら手ぇ繋いでたよね」

大河は不思議そうに顎に手をつける。

「あいつ、たぶん夢の中でもフラバしてた。」

遙真は手元の雑誌を開いて、大河の質問に答える。

「それだけ、あいつも辛い思いをしてたんだろうな。」

千紘は昔を懐かしむように、いった。

「あいつも結局、俺らと同じなんじゃねぇーの?」

俺はそうおもう。

ここにいるヤツらはなにかとキズをもっている。

その傷口を舐めあっているわけじゃないけど、それなりに上手くやっている