「…ねえ、麗薇はさ、どうして人は争い合うんだとおもう?」

「唐突ね」

「俺もそうだよ。メリットは何もないってわかってる。だけど、俺は今も」


「……麗薇を手放したくないから漣たちと争ってる」

髪に手を流しながら、彼はいった。

その瞳は、とても寂しく、悲しい色をする。

「……麗薇はさ、俺の事、好き?」

その瞳はまだ、悲しい色をしていて、あたしをみる。

「……わかんない」

あたしは俯く。

それでも、彼は続ける。

「じゃあ、漣斗のこと、好き?」

「……それも、わかんない」

…”好き”、”嫌い”。今のあたしは、ちょっとわかんないみたいだ。


「今麗薇の胸の中にいるのは、誰なの?」

あたしの、胸の中……に、いる人……。


『麗薇』


目を、背けていたかった。今すぐ、ここから逃げたい。

”もしも”その言葉があたしの脳裏にこびりついて悲しくなる。

自分で分かってしまうのが、こんなにも辛かったの

あたしの胸の奥で、ずっと、ずっと優しく声をかけてくれるのは……笑ってあたしの名を呼ぶのは、いつも……漣斗だったから。



『漣はさ、運命って信じてる?運命の人とかさ』

満天の星空、あなたと2人、あたしたちはそこにいた。

『俺はそんなロマンチストじゃない』

その言葉に、あたしは苦笑した。

『でも、麗薇に再び会えたこと、それが運命なんじゃないかって今は思ってる』

その瞳は優しさをあたしに与え、その声はあたしに愛情を。