いつの間にかあたしたちの番になってあたしはストロベリー、漣はメロンを頼んだ

「あれ、漣お金は?」

「払ってきた。」

「え、ありがと、」

なんでこのひとたちはこんなにも、あたしに奢ってくれるんだろう。

まさか、あとから請求とかはないよね?ないよね??

そんなことも気にしつつ、1口おほばってみる。

「おいしぃ!」

「だろ?」

漣はニヤリと笑う。あたしも笑い返した。

向かい合っていると、何度か目が合ってドキリとする。

少し赤くなるほおも、今は日焼けのせいにしよう。

「もうたべたの?早くない?」

食べ終わるのが早かった漣は、あたしが食べるところを見てる。

「髪の毛につくよ」

あたしの横髪を、耳にかけてくれる。

……漣って二人きりだととっても甘いというか優しい雰囲気を出すよね。

「あ、ありがと」


食べ終わったのでゴミをすてに向かう。

不意に繋がれた手。

ゴミ入れは店のうらにあるらしく、少し危険な感じが漂っている。

「……麗薇、漣」

「……麗薇、振り向くな」

どこか聞き覚えのある声が聞こえて、それから漣があたしの耳元で囁いた。

振り向くことを阻止されて、繋がれた手を引っ張られる。

「おいおい、待てよ。せっかくの昔馴染みの再会だって言うのになー。」

また聞こえたのは、全然聞いた事のない声。

なのに、あたしの中に1番響く声だった。

それでも、あたしは漣に従って振り向かない。それから引っ張る手は止まらない。

「ちょいちょい、漣、麗薇を連れていくのはアカンでー」

あたしと漣の肩を掴んだのは、関西弁のイマミヤだった。

それからすんなり漣と繋いでいた手が離された。

「お前ら……」

漣が後ろを振り返ったから、あたしも漣のように振り返ったのだ…