「なにか、言われたのか?」

あたしはコクんと頷いた。それから、控えめに喋っていった。

「それって……」

大河も困惑を隠せない様子。

「漣は……あたしのことを覚えている上であたしを倉庫に連れていったのかな」

それとも、覚えてないけど連れていったのだろうか。

あたしがあたしの母親を殺したというのは、本当なのだろうか。

琉だって、あたしのことを分かっておきながらあの日、あたしとあったのだろうか

なんで、なんでと渦巻く疑問。

「さあな。基本、過去の話はアイツしないんだよ」

遠くを見つめるようにして、いった大河。

それは、漣にも思い出したくないものがあるからなのだろうか。

「だから、ホントのことをいうと漣の幼い頃の本当の過去は俺たち誰も知らない」

「そう、だったんだ…」

そんなにもひどい過去だったのだろうか。

「大河はあたしのこと、重いとか軽蔑したりしないの?」

「……話的には、重いのかもしれないけど、俺は絶対そんなこと思わない」

ただ、記憶がないとは言え、あたしが……。

思い出さなきゃ、思い出さなきゃ……。

『麗薇ちゃん!!』



広がるのは、白薔薇の庭園。いくつかはお母さんの血で紅花に底光りしている。

お母さんはあたしの前に倒れていて、起きもしない。

心配そうにあたしを見つめるのは、金髪で緑の眼をした少年。


「い、いゃぁぁぁぁ!」

耳を抑えて、封じ込む。あたしは知らない、こんな光景しらないの!

「麗薇?!」

突然パニックを起こすあたしを、必死に宥めようとしてくれる。

白薔薇が……血で真っ赤に染まる……。

それは、あたしが薔薇姫となった時の琉との誓いだった______。