「失敗する気はないが、調子に乗りすぎる気もない。一応社長だから車とか家だけは高いものにしたけど、このテーブルは八万位だし、あっちのソファーもそれくらい」
今井律は高いと思っていたL字型のソファーを指差しながら言った。
ここが高層マンションの四十階だからだろうか、全てが何十万もしそうなくらい高級に見えたのに、まさかそんなに庶民でも手が出そうな金額だとは思わなかった。
「全部高級品だと思ったわけ?」
「うん」
「ルンバには頼ってるけど家事は全部自分でするし、休日の朝は卵かけご飯だぞ?」
「安」
「貧乏時代から食べてて、調子に乗らず、初心に帰れるように食べてんの」
「それならそんなに気を張らずに居られるな」
その言葉に安心して変な気が抜けてくれた。
「じゃあ一生居て良いから」
にっこり笑顔で言われて、私は沈黙を作る。
今井律は高いと思っていたL字型のソファーを指差しながら言った。
ここが高層マンションの四十階だからだろうか、全てが何十万もしそうなくらい高級に見えたのに、まさかそんなに庶民でも手が出そうな金額だとは思わなかった。
「全部高級品だと思ったわけ?」
「うん」
「ルンバには頼ってるけど家事は全部自分でするし、休日の朝は卵かけご飯だぞ?」
「安」
「貧乏時代から食べてて、調子に乗らず、初心に帰れるように食べてんの」
「それならそんなに気を張らずに居られるな」
その言葉に安心して変な気が抜けてくれた。
「じゃあ一生居て良いから」
にっこり笑顔で言われて、私は沈黙を作る。



