「……貴方、本当に本気なの?」

「本気って最初から言ってんじゃん。抱いたら益々のめり込んだし」

「……名前が同じだから面倒なことも多いよ?」

「言い訳なんか求めてない。頷けよ。てか、俺のこと名前で呼べ」

「どっちも律だからどっちの名前を呼んでんのか分かんないじゃない」

「だから言い訳なんか求めてない。昨日のベッドの中みたいに呼べよ」

「きゃっ!」

今井律は突然私の両手を捕まえて上に跨ってきた。

「言わないなら言わせてやる。一回くらい出来る時間はある」

私を見下ろして楽しそうに片方の口角を上げる裸の男はそう言いながら私の顔に近付いてきた。

時間を正確には分からないが、私は毎朝七時に勝手に目が覚めるから、今はきっとその時刻だ。

が、アンタの事情だけで言うな。

「朝っぱらから、何言ってんの!」

私は思いきり足を真上に振り上げた。