「分かってるから言うんだ。逃げていてもいつまでもその傷は絶対に癒えない」

核心をついた言葉に心臓が苦しくなる。

それは私も分かっている。

だって私はずっと苦しんでるから。

傷はきっと一生消えない。


「だから俺が上書きして少しでも軽くしてやる」

「……貴方、私とセックスしたいだけじゃない?」

「ま、それは一理あるよ」

「……」

「だから頷け」

「……」

「同級生のアイツ、律のこと好きでしょ?でも律はアイツを頼らなかった」

「……」

「俺達の名前が一緒なのも、あの病院で会ったのも、カフェで再会したのも運命だ」

「……」