青い鳥

「んんん!」

逃げたいのに、がっちり両頬を掴まれて、逃げられない。

それよりもこの男、キスに手慣れている。

どう舌を絡めたら相手が気持ちよく感じるか、把握している。

だって舌が絡まると頭が何も考えられなくなったから。

吐息が重なると、更に気持ち良くなって、力が入らなくなる感覚しかしない。


「俺達、キスの相性も良い」

やっと唇を離してくれた今井律が口の端を上げて言った。


この男、獣だ。
本能のままに生きる獣にソックリ。


「律、抱かせて?」

すると私の頬に人差し指を滑らせて、本音を堂々と言ってきた獣。


「……私の事情分かっててよく言えるね」

私、貴方には呆れるばかりよ。