青い鳥

「触らないで!」

私はベッドから起き上がり、その手から逃げるように後退りしながら叫ぶ。
目の前の今井律は顔を顰めたが、今の私はそれにも気付かない程、心は平常心を失っている。


「男の俺だから、嫌?律の男嫌いに関係ある夢でも見たのか?」

「静かにして!」

とりあえず私の心を落ち着かせるために、

「出て行って!」

私は再び叫ぶ。
だが、


「嫌だね」

今井律からは期待していた言葉が返ってきてくれなくて。

それどころか私を捕らえるような目で見てきて。

『ギシリ』

さらにベッドに手を置いて、ベッドの上にいる私に近付こうとする。