眠っていたはずなのに、いつの間にか私は全速力で逃げていた。 でも後ろから聞こえる足音は消えてくれない。 それどころかどんどん大きくなる。 私は必死に逃げる。 息が切れてるとか、心臓が苦しいとかすら、考えられない。 逃げなきゃ。 それしか考えられない。 グンッ! 「痛いっ!」 それなのに私の長い髪を掴まれて、捕まった。 「何で逃げる?」 そして私の身体を押して後ろに倒れさせると、倒れた私をニヤニヤしながら見下ろし、私に手を伸ばしてきた。