青い鳥

黒い闇の中には幾つかの僅かな灯火が幻想的な雰囲気を醸し出している。
ドラマのような光景だ。

そこにサラッと前髪が流れた今井律の顔が割り込んできた。

「綺麗?感動した?」

「別に。明日になったら慣れるだろうし」

冷めた口調と真顔で返し、横を向いた。

私には興味が無い場所だとは認識したわ。


「やっぱり律は手強いな。普通の女みたいには落ちてくれない」

そこにくくっと忍び笑いをしているような今井律の声が届いてきた。

どうやらこの光景を見て落ちなかった女は私だけらしい。


「初めてだから、嫌がったら止める」

すると突然、今井律が言った。

「え?」

何が?

「嫌なら全力で拒め」

「だから何ーーーーんっ!?」