青い鳥

「あ、そうだ。今日から一緒に住むから渡しとく」

「え」

視界に入れていた今井律のポケットを突然漁るから、何を取り出してるのか気になって挙動を観察していたら、出てきたブツに驚いてしまった。


「これで好きなもの買って?暗証番号は……」

だって渡されたのはクレジットカード。
しかもご丁寧に暗証番号まで教えられた。

私はさっきから呆然としすぎてカードを受け取ったままの態勢で固まったままなのに。

私が散財したらどうするの?
借金まみれになったらどうするの?
路頭に迷うかもしれないのよ?


「貴方、頭相当イカレてる」

思わず嬲るように本音をポロリ。


「俺は律に下心があるからね。キッカケはお金目当てでも良いから」

それなのに笑顔で返してきた。