すぐに視線が絡まった。

今井律は、先程までの自信の宿った顔じゃなくて、柔らかい笑顔になっていた。


「本能で感じた」

「え」

「律は俺自身をちゃんと見てくれる、ずっと俺を愛してくれるって何故か思えたから」


その顔と言葉に変に鼓動が速くなって、私は視線を勢いよく外す。


「……貴方オカシイ。お互い何も名前以外知らないのに」

だって私達、出会って数回。

お互いのこと、何も知らない。


「時間なんて関係ある?何十年連れ添った夫婦でも簡単に別れることもあるだろ?」

「……」


私は何も言い返せなかった。

だってその通りだと思ったから。