それよりも訊きたいことがあるの。

「どうやって私の居場所、知ったの?」

一つずつじっくり訊いていこう。

「出会った病院の看護婦のオネエサンに訊いただけ」

ニッコリ満面の笑みで返された。

「……」

これ以上掘り下げるのは止めておこう。


三つも並んでいるエレベーター前に辿り着き、今井律がボタンを押した。
一基はこの階にあったようですぐにポンと音を出して開いた扉に今井律が乗り込んだので私もそれについて乗り込んだ。
すると彼が迷わず押したボタンは、その中で一番大きい数字の四十のボタン。

私は口が開きっぱなしだ。

貴方、社長してるし、お金に困ってもいないんだから、女なんて選びたい放題でしょ?

何で、私なの?


「……私の何が良いの?」

小さな箱の中、私は一番訊きたかった事を訊いた。