「貴方ってお金持ちなの!?」

「一応社長してる」


一応社長!?


呆気に取られすぎて、今井律がシートベルトを外した音で駐車していたことに気付いた。
いつの間にか地下の駐車場に車は停まっていた。


「貴方、何歳!?」

「二十九歳。エレベーターこっちだからついてきて」

そう言って車を降りると私の鞄を持ってマイペースにズカズカ歩いていく今井律。

「二十九歳で社長!?ってか、私の鞄!」

「律に鞄を持たせることするわけないから」

私は驚きながらも小走りで前を行く今井律の後ろをついていく。


でもそれを聞いて納得出来たことがある。

この男の傲慢な程の態度と決断力に。